国境の街、トリエステ!「イタリアの中の外国」Pagina.2

国境警備警察に捕まる?!

トリエステは、イタリアの東の果てにあるので、とにかく遠い!どこから行っても、果てしなく遠く感じてしまいます!
イタリアの高速道路、アウト・ストラーダをぶっ飛ばしても、ミラノから約5時間。隣のヴェネツィアからでも、約2時間!
この日は、何とか日が暮れる前にヴェローナまで帰りたかったので、足早にトリエステを離れる事にしたのです。

高速道路を疾走する事、約10分。ノンストップで帰る為に、途中の小さな小さなサービスエリアで、水分補給とお手洗いの時間を取ることにしました。 外のテラスに置かれた、古ぼけた錆だらけの円いテーブルで、我々は、明日の取材スケジュールについて話し合っていたのです。
すると、遠くから、音もなく近寄る、一台のアルファロメオ…。私の借り物の車が、すでに狙われていました。


青空色の制服と赤いラインの入ったズボン。これは、紛れもなく、イタリア最強の警察部隊、カラビニエーリ!(Carabinieri、治安警察)
イタリアの国防省に所属するこの組織は、言わば、街中にいる軍隊!ちょっと恐いんです!

トリエステ付近は国境沿いであるため、密入国者も多く、常時警戒されています!中でも、アジア系の不法入国者が多いため、 目立たない小さなサービスエリアで、なにやら企む我々の事を、放っては置けなかったのでしょう!


現れたのは、警戒を怠らない、屈強そうな2人の警官。ほんの今まで、こじんまりながら、我々に潤いを与えてくれていたその小さなお店は、 勢い好くシャッターを下ろしてしまいました…。
そうなると、外に残されてしまったのは、どう見てもアジアからやって来た男達…。
取調べは、約1時間に及び、車のシートから何から何まで、調べ上げられたのでした…。

しかし!転んでもただでは起き上がらない私としては、これを何とかネタに出来ないかと考え始めたのです。
デジカメで、フラッシュをたかずに、そっと撮影開始!そして、警官の服装や、アルファロメオ155が、如何にかっこいいかを切々と伝え、 2人の警官の写真を撮りたいと申し出ました!
しつこく粘ること約10分!しぶしぶOKをもらい、終いには、間に割り込んでの記念撮影!

まさに、七転び八起き、虎穴に入らずんば虎子を得ず、瓢箪から駒!


後日、この事を、知り合いのイタリア人、ジュゼッペさんに話すと…、
「そいつらは、普通の警官とは違って、恐いやつらなんだぞ!よく写真なんか撮らせてくれたな?! すごいぞ、ウッチーノ!」と誉めてくれました! 

まさに、恐いもの知らずの私なのでした!