2001.11.1 

イタリアのテレビ番組


ちょっと変どころか、ずいぶん変だと感じたのが、イタリアのテレビ局の時間感覚。
イタリアのテレビ番組は、なんと、予定通りには始まらないのです!
日本では、視聴率対策のために、夜8時からの番組を、7時56分位から放送したり、前の番組が終わると同時に、次の番組を始めたりします。しかし、イタリアの場合は、全く持って違う理由からなのです。例をあげると、「前の番組が、あまりにも盛り上がってしまい、止められなくなって、次の番組に食い込む…」「話すネタがなくなってしまい、予定より早めに終わってしまう…」「局のお偉いさんの気分で、突然、違う番組が流れる…」「局のスタッフの不注意で、突然、違う番組が流れる…」

枚挙に暇がありません!だから、イタリアで、好きな番組を録画して見ようと思えば、『野球中継で、放送枠がずれるだろう』位の注意が必要なのです!
実際、私・内野も、何度か、イタリアの全国ネットのテレビ番組に出演して体験しました。(夜10時30分からの番組が、突然、3分も繰り上がって始まった。)
日本でそんなことをすれば、大変な問題となります。1人や2人の首が飛ぶ位では済みません。日本の場合は、影響が出る枠を、ちょっとでも少なくするために、限りなく元に戻す対策を施すのです。イタリアのように、ズレたら、その後も全部ズラすといった大冒険など、発想も致しません。では、どちらがよいのかと言うと、実は、それぞれの国民性に合った、現在のそれぞれの状況が、一番しっくりくるのです。ちょっと乱暴な言い方をすると、日本人は、テレビを真剣に見る。(大きな影響力を持ち、ビジネスとしても、巨大なマーケットを形成)

しかし、イタリア人にとってテレビは、夕食会にやって来た、数多い友達の一人位の存在なのです。実際、よくあるイタリアの生ワイド番組では、40代から50代位の司会者が、きれいなお姉さん・お兄さんをはべらせ、恋愛や政治・経済、食べ物、ファッションなどの話を、とりとめもなく続けます。そして、一息ついたところで、皆で一緒に、歌ったり、踊ったり…。これの繰り返しなのです。
だから、日本の番組を見慣れた日本人には、「テンポ感の緩い、素朴な、ちょっと田舎テイストの番組だなあ…」と映ってしまう。これはおそらく、テレビという娯楽メディアの、受け取り方の違いでしょう。とっても都合のいい言い方をすれば、「イタリア人は、番組にすべての感覚を奪われるのではなく、その一部を、自分たちのひと時に取り入れるだけ。あくまでも、支配しているのは自分たち」

だからこそ、番組が、5分・10分遅れようが早かろうが、そんなことはどうでもいい事。一方で日本人は、決められた事が、決められた通りに運ばないことにやや苛立ち、予定していた楽しみを奪われた気になる。更には、テレビが、過去40年に渡って、娯楽の中心に鎮座し続けたために、用意された楽しみに依存する傾向が強くなってしまったのではないのでしょうか?!

しかしながら、この文章を読んでいるあなたは、もうすでに、そのことには気づいているんですね!送りっ放しのメディアに飽き足らず、自らの楽しみを探しているのですから…。

楽しみは、自分自身で創り出すイタリア人


ゆかいな常識クイズ

さて、問題です!
下の写真は、イタリアの一般的なホテル(Albergo)の、バスルームです。
そこには、おなじみの洋式便器と、もう一つ、見慣れないモノが置かれています。
これはいったい、何なのでしょうか?!
ちょっと考えて見てください!



[1]下着用の洗濯槽  [2]泡風呂の洗剤入れ  [3]お尻を洗うビデ

■正解は…