2001.12.20 

イタリアは、今、日本ブーム。


いにしえの都、ヴェローナの街角で、今にも子供が生まれそうな勢いの体つきをした妊婦が、前からこちらの方に向かって歩いてきました。「Ciao!」とお互いに挨拶をして、彼女のTシャツに目をやると、なんとそこには、日本語で「お母さん」と書かれていたのです!
そして、一方には、「非常出口」と、緑字で書かれたシャツを着る男。一方には、「楽いしとプリントされたカバンを、うれしそうに持ち歩く女性。どうやら、街中に、日本語が溢れているようです!

怪しい日本語の書かれたTシャツやトレーナーに身を包み、日本のアニメに熱狂するイタリア人。 日本のサブカルチャーは、本当に、イタリアを席巻しているようです。確かにイタリアのテレビは、日本製のアニメーションを湯水のごとく放送しています。「ポケモン」はもちろんのこと、「ドラゴンボール」や「ルパン三世」、「マジンガーZ」、「セーラームーン」、大人に人気の「ぺスカトーレ・サーンペイ(つりキチ三平)」などなど。街で出会う、どんなイタリア人に尋ねても、少なくとも、4つや5つは、タイトルが出てきます!

なかでも異色を放っているのが、「一休さん」
実はイタリアでは、ある時期、毎朝2本ずつ流されていた程の人気番組。(一休さんはイタリア語で「ボンジョルノ!シニョオル・シンエモン!」などと言っています。)また、「ルパン三世」も人気があり、フジ子ちゃん・次元・五右衛門など、日本語名そのままで出ています。共通の話題を持つのはいいことです。初対面のイタリア人とは、以外なことに、アニメの話題でうち解け合えるのでした。

そして、そのアニメの中では、人の名前やお店の名前などが日本語で書かれているため、それがイタリア人の心に深い印象を刻んでいるのでした。彼らの目には、まるで、何かの記号のように映るひらがな・カタカナや漢字は、十分にエキゾチックで、ファッション性の高いアイテムとなっています。ちなみに、おしゃれでモードなセレクトショップのディスプレイケースに、セーラームーンのイラストと漢字入りの帽子が誇らしげに飾られていました。
(日本だとアニメファン御用達のお店にしかないはず...。)

また、ミラノやフィレンツェ等の大都会の広場では、ちょっとユニークな商売が流行しているのですが、ご存知でしたか?それは、イタリア人の名前を、無理矢理、漢字に直して売りつけてしまうというもので、中国系の人たちが筆を振るっています。安奈真理亜(アンナマリア) 爺野(ジーノ) 路部留人(ロベルト)などなど。
あなたも、イタリア人のお友達の名前を、是非、素敵な漢字にしてあげて下さいね!ウケること間違いなしです!
とにかく、イタリアという、まったく異文化の地で目にする日本語は、とてもエキゾチックで、新鮮なのでした!!